| 要旨トップ | ESJ63 自由集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


自由集会 W20 -- 3月23日 15:30-17:30 RoomB

外洋域における重要海域特定への海鳥の利用とその課題

企画者: 綿貫豊(北大水産), 高橋晃周(国立極地研)

外洋域における重要海域特定への海鳥の利用とその課題

オーガナイザー:綿貫豊(北大水産科学院)・高橋晃周(国立極地研)

我が国は2020年までに沿岸域および海域の10%を海洋保護区(MPA)にすることを目標としている。漁業資源保全などを目的とした“保護区”は沿岸部に集中しており、外洋域におけるMPAの設定が課題となっている。海洋生物多様性保全戦略によれば、保護区の設定にむけては、生態学的・生物学的重要海域(EBSA)がその候補とされる。EBSAとしては、藻場、珊瑚礁や海山は範囲の定義が比較的容易であり、詳細な調査が進められている。一方、海流がぶつかる移行領域・湧昇域は外洋域でのEBSAの候補であるが、変動性が激しく範囲として把握するのが困難である。また外洋域の調査は容易ではなく、生物分布の情報は限られている。そこで、その生活のほとんどを空中で過ごすため、海洋生物としては分布調査が格段に容易である海鳥を、外洋におけるEBSA抽出に役立てようと言うアイデアが出されている。そのため、BirdLifeなどを中心に各国で、海鳥にとっての重要海域(marine Important Bird Area, mIBA)が定められつつある。この自由集会では、我が国周辺の海域において、海鳥の繁殖地の分布や採食範囲からmIBAを定める手法について話題提供いただき、これらの手法の限界を明確にするとともに、EBSA、さらにMPAに活用する際の注意点について議論したい。

[W20-1] 重要海域抽出における海鳥の利用  綿貫豊(北大水産)

[W20-2] コロニー分布を使った日本のmIBA  山本裕(野鳥の会)・佐藤真由美(BirdLife Japan)

[W20-3] オオミズナギドリの追跡データからみた重要海域  山本誉士・依田憲(名古屋大)

[W20-4] 海鳥を利用する際の利点と限界:総合討論  高橋晃周(国立極地研)


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