| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-B-085  (Poster presentation)

足立区桑袋ビオトープ公園における一般来園者によるアメリカザリガニ駆除活動の成果

*池上沙樹, 山下正哉(足立区桑袋ビオトープ公園)

外来種であるアメリカザリガニは捕食による生態系への影響が懸念されている。東京都足立区にある都市公園である桑袋ビオトープ公園のため池やハス田では、開園2年目の2006年からアメリカザリガニの生息が確認され、捕獲数が2007年では663個体、2008年では1,331個体と増加傾向にあった。それに伴い、ため池で見られていたアサザの消失、ヤゴやハゼ類などの目撃数が減少した。そのため、2009年よりアメリカザリガニの駆除の一環として、来園者にザリガニ釣りをしてもらい、釣れたザリガニを公園側で引き取り駆除する「ザリガニ調べ」活動を開始した。「ザリガニ調べ」の成果として1年目では5,033人の来園者が参加し、13,249個体を駆除した。また、2年目では4,205 人が参加し、7,362個体を駆除した。3年目以降は、参加者は約4,000人ほどで推移し、ザリガニの捕獲数は減少傾向にある。「ザリガニ調べ」開始後、2012年にスジエビがため池で初めて確認され、2013年にはテナガエビと共に数が急増した。また、ヤゴやハゼ類の目撃数が増え、在来生物について増加の傾向が見られ、来園者参加によるアメリカザリガニ駆除活動の成果が表れている。


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