| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-C-120  (Poster presentation)

全国調査で明らかとなったニホンミツバチの窒素と炭素の安定同位体比

*Hisatomo TAKI(森林総合研究所), Hiroshi IKEDA(弘前大学), Teruyoshi NAGAMITSU(森林総合研究所), Mika YASUDA(森林総合研究所), Shinji SUGIURA(神戸大学), Kaoru MAETO(神戸大学), Kimiko OKABE(森林総合研究所)

ニホンミツバチは、日本在来の唯一のミツバチであり、花粉媒介(調整サービス)、蜂蜜供給(供給サービス)、趣味の養蜂(文化サービス)などの多数の生態系サービスをもたらす。本研究では、全国各地で採集したニホンミツバチ個体群を用いて、虫体を構成している窒素と炭素の安定同位体比を測定し、その比率の相違がどの環境要因によって生み出されているのかを検証した。その結果、窒素と酸素ともに、森林、都市、農地などのニホンミツバチが生息している場所の土地利用変化によって同位体比が大きく異なることが明らかとなった。これら結果は、ニホンミツバチが生息地周囲の環境に存在する餌を柔軟に利用していることを示すとともに、窒素と酸素の同位体比などを用いることによって、ニホンミツバチ自体が環境状況を表す指標になり得る可能性があることを示している。


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