| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-H-263  (Poster presentation)

都市公園における生物多様性についてのシチズンサイエンスの実践と可能性

*倉本宣(明大・農)

都市公園の生物多様性を市民と一緒に楽しむ活動を都立葛西臨海公園において2016年に試験的に行った。これはシチズンサイエンスにおける科学に対する興味を持つ段階として位置づけた。
活動は4回行った。テーマは護岸上に生育する海浜植物の生態とした。第1回は、テーマ決めで、種によって葉の塩辛さが異なることに気づいた。第2回は塩分濃度の測定し、葉の塩辛さとの関係を検討した。第3回はホソバハマアカザの新葉と落葉直前の葉の塩分濃度およびクロロフィル量の比較とした。第4回は海浜植物の種子散布を調べるため掃除機で護岸の上を吸引して比較した。
参加者は第4回は探鳥会のコースに入れてもらったため30名ほど、第2回は3名で、第3回は参加者が得られなかった。参加者の満足度は高いことが見て取れた。
このほかに、都立赤塚公園の林床植物管理、市立生田緑地の植生管理、都立桜ヶ丘公園雑木林ボランティアの運営などの都市公園における環境管理と結びついたシチズンサイエンスの活動について述べる。これらは、「やってみて考える」という標語のもとで順応的管理として行われており、順応的管理の各段階がシチズンサイエンスの教材となっている。


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