| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-20  (Poster presentation)

熊谷西高校周辺に生息するアライグマ

*小川岳紘, 栗原由樹(埼玉県立熊谷西高等学校)

はじめに
チームアライグマとは
 熊谷西高校自然科学部では、生徒共同グループ「チームアライグマ」の活動に参加している。2014年度より活動を始め、現在埼玉県内・東京都内の高校生8校約30名で活動を行っている。チームアライグマは、埼玉県内でも生息数が増加している特定外来生物であるアライグマ(Procyon lotor)の爪痕調査を中心にしていた。この活動を通して他の外来生物にも興味を持ち現在では県内の他の外来種について多方面から研究を行っている。今回は熊谷西高校自然科学部が行っている研究について発表を行う。

研究概要
 熊谷西高校の周辺に生息しているアライグマについて習性や分布を調査することで、学校周辺に生息するアライグマの特徴を調べ報告する。調査については、自分たちで調査したものと行政から頂いたデータを使用した。

調査
 調査Ⅰ:センサーカメラを設置し、寺社の床下に設置した。そこで撮影した小動物について同定作業を行った。
 調査Ⅱ:学校周辺の寺社仏閣で爪痕調査を行い、寺社仏閣ごとに被害ランクを決定した。この結果を昨年度に行った結果と比較し検討を行った。
 調査Ⅲ:熊谷市内における出産時期を、幼獣の捕獲時期と体重から検討した。また、結果Ⅰの撮影日時と捕獲日の比較を行い活動傾向について検討する。
 調査Ⅳ:熊谷市内におけるアライグマの捕獲目的から、被害状況の推察を行った。

結果・考察
 調査Ⅰ~調査Ⅵおよび結果Ⅰ~結果Ⅵを通して、熊谷西高校周辺においてアライグマは、
①夜間に活動している
②すみかを定期的に変えている
③春季のみの出産で秋季には出産していない
④農業への被害よりも家屋への被害が多い
と、考えられる。

謝辞
 龍泉寺のみなさま、熊谷市役所寺岡慶彦様など多くの方に協力していただきました。この場を借りて感謝いたします。


日本生態学会