| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-33  (Poster presentation)

サルスベリの樹勢と空洞率の関係

*村津進太郎, 青木慧(筑波大学附属駒場高等学校)

近年、街路樹の倒木事故が増加し、その原因の一つに幹の空洞化があげられる。その対策として、樹木医が機器を使った調査を行っているが、仮に機器なしの簡単な調査が可能ならば、もっと倒木事故を防ぎやすくなると考えた。そこで、本校のサルスベリを用いて、幹を切ることなく容易に空洞化の進行状況を測ることができるのかどうかを調査した。実験方法としては、各枝で、①周長・長さの測定、②葉・花・ツタ・キノコ・コブの有無の観察(実験に用いる木にツタ・キノコ・コブが見られたためこれらのデータも取った)、③打音の測定(トンカチを使用)の3種類のデータを取り、その後実際に各枝を切断して断面の空洞を測定し、これと各データの値を比べた。結果は、打音による検査は、空洞率の高い枝と低い枝で音程の高さに違いが生じた。また、葉・花が生えている枝は健康で空洞は見られなかった。それに対し、コブ・キノコの有無と空洞には関係が見られなかった。よって、空洞化状況を調べる簡単な検査としては打音の計測と葉・花の有無を観察するのが有用であると考えられる。


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