| 要旨トップ | ESJ64 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


シンポジウム S10  3月16日 9:00-12:00 B会場

島嶼生態系生物多様性ホットスポットの進化・保全ゲノミクス

井鷺裕司(京都大・農学研究科)

 島嶼生態系の生物相は大陸に比べると限定された数と種類の創始者に由来し、より単純な生物間相互作用や履歴を持つため、生物多様性創出機構の解明には適した場所である。本シンポジウムの演者らが解析対象としている島嶼生態系、ニューカレドニア、ハワイ、小笠原、屋久島は適応進化の結果として多くの固有種がうまれ、生育している。しかしながら、島嶼生態系は、人為インパクトに対して脆弱であり、他の生態系以上に生物多様性の減少が問題となっている。従って、その保全や多様性創出・維持機構の解明は急務といえる。
 本シンポジウムでは、遺伝解析技術におけるブレークスルーによって、野生生物でもゲノムレベルの解析が低コストで行えるようになってきた現状をふまえ、大量の塩基配列情報を用いて、島嶼生態系における生物多様性の解析を行っている研究者を集め、多様性ホットスポットにおける進化と保全の新しいアプローチについて議論する。

[S10-1] New Caledonia and its plant biodiversity: origins, characteristics and threats Gildas Gâteblé(IAC)

[S10-2] Is Oxera the sole adaptive radiation in New Caledonia ? Laure Barrabé(IAC / UMR AMAP)

[S10-3] 著しい適応放散を示すニューカレドニア産Oxera属植物(シソ科)の保全ゲノミクス 内山憲太郎(森林総合研究所)

[S10-4] 小笠原諸島に生育する絶滅危惧固有植物の保全ゲノミクス 井鷺裕司(京都大学)

[S10-5] 絶滅危惧植物における遺伝的多様性の低下と有害変異の蓄積 浜端朋子(東北大学)

[S10-6] ハワイフトモモにおける種内ニッチ多様化のゲノム解析 伊津野彩子(University of Zurich)

[S10-7] キイチゴたちが屋久島で出会うとき ー遺伝子浸透のゲノミクスー 三村真紀子(玉川大学)


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