| 要旨トップ | ESJ64 自由集会 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


自由集会 W23  3月15日 18:00-20:00 M会場

新しい時間生態学の展開

大原隆之(北大院・環境科学),宮竹貴久(岡山大院・環境生命)

生物は、地球の自転と公転によって生じる、時に周期的で時に予測不可能な環境変化から逃れることは出来ない。そして、周囲の環境が刻一刻と変化するのと同様に、生命現象も時間とともにダイナミックに変化する。その結果、約1日単位で起きる概日リズムから、数年単位で起きる植物の一斉開花のような現象まで、様々な時間スケールの生物現象が観測される。時間という座標軸の上で生態学を捉えるためには、「時間生態学」という視点が必要となる。
日本生態学会においては、これまでにも生物リズムの至近メカニズムと生態学の接点をキーワードとした集会が何度か企画された。ところが、野外において生物が示すリズムという事象は、遺伝的基盤を持ちつつ、時に可塑的でもある。そして、生物が取り巻く環境と生態への同調については未解明な部分が大きい。さらに、異なる分類群の生物、また異なる時間スケールを伴う現象について研究を進めなければ、統合した理解は得られそうもない。そこで本集会では、生態学・生理学・数理生物学などの視点から、多角的に生物の時間について考えたい。

[W23-1] アリズムについて考えてみました 宮竹貴久(岡山大院・環境生命)

[W23-2] 月の周期に同調した熱帯性魚類の繁殖リズムとその成立要因 竹村明洋(琉球大・理学)

[W23-3] 昆虫社会ではリズムはどうか?~可塑性を中心に~ 渕側太郎(京大院農・昆虫生態)

[W23-4] 最適成長を可能にする植物概日時計の柔軟性 *大原隆之(北大院・環境科学),佐竹暁子(九大・理学)


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