| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-063  (Poster presentation)

コナラの種子形態に多型はあるのか?

*中村祐介, 京極大助, 近藤倫生(龍谷大学)

同一植物種が生産する種子のサイズは、環境条件さえ変わらなければ大きな変動を見せないことが理論予測されている。しかし現実には、種子サイズには大きな変動が見られることがある。本研究では、種子の大きさと形の変異とその生態学的な意味を理解するために、京都市吉田山と大津市瀬田において採集したコナラ(Quercus serrata)種子の形態を定量した。さらに、この種子形態の変異と種子食性昆虫による食害圧との関係を調べた。その結果、種子形態は母親によって決まっているらしいこと、母親ごとに種子の丸さが大きく異なることが明らかとなった。さらに、丸みを帯びた種子ほど種子食性昆虫からよく加害されていた。昆虫による加害の頻度と種子の体積の間には有意な相関は無かった。これらの結果からコナラの種子形態の変異は、食植生昆虫による加害を介して、種子の生存率に影響を与えている可能性が示唆された。


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