| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


企画集会 T04-3  (Presentation in Organized Session)

保全計画立案プロジェクトの実践:生物多様性おきなわブランド発信事業

*中臺亮介(琉球大学・理学部, 一財沖縄県環境科学C), 鈴木亮(琉球大学・理学部, 一財沖縄県環境科学C), 久保田康裕(琉球大学・理学部), 今村史子(日本工営(株)), 小澤宏之(一財沖縄県環境科学C), 福島新(日本工営(株)), 宮良工(沖縄環境地域コン), 沖縄県環境部 自然保護課(沖縄県)

近年、生物多様性の保全政策や行動計画は、システム化保全計画(SCP: systematic conservation planning)の枠組みで議論されるようになりつつある。しかしながら、大規模データの収集が研究を促している一方で、一つの国や自治体行政主体による広域での実践例は世界的に見ても極めて少ない。本発表では平成28年度から沖縄県により実施されている「生物多様性おきなわブランド発信事業」について、保全計画立案プロジェクトの新規的な実践例として紹介する。「生物多様性おきなわブランド発信事業」とは、沖縄県全土を対象に生物多様性の現状を把握、それらを元にした評価と保全、適切な利用の促進、そして、それらの結果に基づき、生物多様性の秘められた価値を発掘し地域ブランドとして発信していくことを目的として、平成 28 年度から平成 33 年度にかけて実施されている沖縄県の事業である。本発表の中では生物多様性の現状を把握と評価するために実施されている、日本工営株式会社、一般財団法人沖縄環境科学センター、株式会社沖縄環境地域コンサルタントの3社を中心とした野外調査と琉球大学の久保田研究室を中心として行っている文献収集と保全優先地域の把握に関する具体的な事業の実施状況と現状明らかになりつつある沖縄本島の多様性について説明をする。本発表の最後に今後、他の地方行政や国で沖縄県の大規模実践例である「生物多様性おきなわブランド発信事業」と同様の生物多様性の把握と保全計画の立案事業を行うためにはどのようなことが重要になるのかについて議論したい。


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