| 要旨トップ | ESJ65 企画集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


企画集会 T05  3月15日 17:30-19:30 B会場

国内外来種を考える

岸田治(北大・北方圏FSC), 佐伯いく代(筑波大・人間総合)

外来種といえば何を思い浮かべるでしょうか? 湖沼で猛威を振るうブラックバス、空き地を埋め尽くすセイタカアワダチソウ、白いお尻のセイヨウオオマルハナバチ、そして昨夏に大ニュースにもなったヒアリなどなど、ほとんどの人は、異国の地から海を越えて日本にもたらされた種を真っ先に挙げると思います。しかし当たり前のことですが、外来種は外国から来たものだけではありません。日本国内において本来の分布域とは異なる地域へと移入された種は数多くあります。一般に、人や物資の往来は国と国との間より国内において盛んです。また外国の種に比べ、より親しみのある自国の種については、たとえ自生分布域の外であっても、それを野外に放逐することに心理的な抵抗が小さいことが考えられます。そのため、国外種よりも国内種のほうが移入のリスクは高いと予想され、その影響には注意を払う必要があります。ところが、国内外来種を対象とした研究は国外外来種と比べると少なく、ほとんどの場合影響の全体像は明らかになっていません。さらに、外来生物法において国内外来種が規制対象となっていないことからも明らかなように、行政レベルでの具体策があまり講じられていないのが実情です。本集会では、これまでの国内外来種の研究で得られている知見を共有し、国内外来種ならではの問題点を整理することで、今後どのような取り組みが必要かを議論します。

コメンテーター: 小池文人(横浜国大・環境情報)

[T05-1] 見落とされてきた脅威を暴く~北海道に定着したアズマヒキガエルのインパクト~ 岸田治(北大・北方圏FSC)

[T05-2] 富士箱根伊豆国立公園伊豆諸島における国内外来種問題 長谷川雅美(東邦大・理)

[T05-3] 見えない外来種:淡水魚における遺伝子浸透 河村功一(三重大・生物資源)


日本生態学会