| 要旨トップ | ESJ65 企画集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


企画集会 T14  3月16日 9:00-11:00 C会場

多型現象について思いの多型を語る会

岡田泰和 (東京大,院,総文),高橋佑磨(千葉大・院・理)

個体間や集団間に見られるあらゆる表現型変異は,表現型レベル,遺伝子レベルを問わず,適応進化の歴史と到達点を反映している.種内の遺伝的多型や表現型多型などの”多型現象”は,今も昔も表現型進化のしくみに迫る格好の題材であり,進化生態学の王道の一つであり続けてきたといえる.現在でも,多型現象の研究はゲノム科学や分子発生学を取り込みながら,適応進化と表現型多様化の研究に古くて新しい切り口を提供しつづけている.本企画集会では,とりわけ興味深いトピックとして,集団内や集団間(近縁種間)での多型の維持・創出機構や変異作出の生理機構・遺伝基盤をとりあげる.多型現象を取り扱う研究は,その創出・維持機構や発生・発達機構など,個々の研究としては進展がめざましいが,選択圧と遺伝的変異,表現型変異を有機的につなげて理解する段階までは,まだまだ道のりが長いように感じられる.
  本企画集会は集団内,集団間(近縁種間)にみられる”多型現象”に焦点をあてた研究についてお話いただく.演者の方々には多型現象を創出する選択圧・遺伝要因・環境要因について今,”何がわかって,何がわからないのか”を(正直に?)お話いただき,本集会を各論のつながりを模索する機会としたい.

[T14-1] 性形質の種内多型とその創出機構 岡田泰和(東京大学・院・総合文化)

[T14-2] オオシロアリにおける補充生殖虫分化を制御する機構 小口晃平(東大・院理・附属臨海)

[T14-3] 多胚性寄生蜂のカースト多型 岩淵喜久男(東京農工大・農学部)

[T14-4] ミスミソウの花色は何故多様なのか 亀岡慎一郎(京大院・人環)

[T14-5] 多型の進化過程と生態的機能の関係 高橋佑磨(千葉大・院・理)


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