| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W13  3月14日 18:15-20:15 D会場

博物館の生態学12 「みんなで調べて、記録して、残す〜市民参加型調査による地域情報集積と課題〜」

小玉愛子(苫小牧市美術博物館・主任学芸員),渡辺修(さっぽろ自然調査館・代表)

「市民参加型調査」は『研究者以外の人間が調査活動の一員に加わり、情報や標本の収集を実践する取り組み』として全国各地で実践されている。対象や目的により調査方法や標本・データの収集手法はそれぞれ異なるが、いずれの場合も「野生生物への興味や、社会的な関心を喚起する機会の創出(教育普及的側面)」「多方面からの情報収集または標本採集(資料収集的側面)」「広域的・継続調査による、生態学的変化の記録(調査的側面)」などの多面的価値を内包している。国内の事例としては1983年から大阪市立自然史博物館で展開されたアサギマダラの情報収集に始まり、多くの地域で実践されているタンポポ調査、マルハナバチ調査、鳥類調査などがある。北海道でも多くの市民参加型調査が実践されており、本年度は5年に一度実施されている植物調査「北海道フラワーソン」の5回目の調査が実施された。
これらの取り組みは博物館の使命である「地域情報の記録と集積」に大きな効果をもたらしたが、その一方で、調査方法の統一化と指導、情報の誤りや偏りの補正、収集した資料・画像の同定・分類などに関わる様々な技術的課題も発生している。
そこで本集会では特に、市民参加型調査の「教育普及的効果」「地域情報収集の可能性と課題」「情報の精査と定量化」の3点について、情報交換と議論を行い、市民参加型調査の成果を地域情報の蓄積と発信につなげる道筋について考えたい。
※集会にご参加の際は、Wi-Fi接続可能なスマートフォンまたはタブレットを持参されることを推奨いたします。

[W13-1] 趣旨説明 小玉 愛子(苫小牧市美術博物館・主任学芸員)

[W13-2] 市民調査による埼玉県立爬虫類マップの作成 藤田 宏之(埼玉県立川の博物館・学芸員)

[W13-3] SNSを用いた生物分布調査の利点と課題‐『#カキ調査』を例として 石田 惣(大阪市立自然史博物館・学芸員)

[W13-4] 写真を用いた市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」 大野ゆかり(東北大学大学院生命科学研究科・特別研究員RPD)

[W13-5] 広域を対象とした市民型調査による情報集積 北海道フラワーソンを例に 渡辺修(さっぽろ自然調査館・代表)


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