| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-213  (Poster presentation)

新潟県南魚沼市八色地区のスイカ圃場有害鳥獣と被害の実態調査
Actual condition of watermelon damages caused by wildlife in Minamiuonuma City, Niigata Prefecture

*今村舟, 山本麻希(長岡技術科学大学)
*Shu IMAMURA, Maki Yamamoto(Nagaoka UniversityofTechnology)

新潟県における鳥獣による農作物被害は2億3,910万円であり、そのうちカラスが58.2%を占める。新潟県内でも、スイカが特産の南魚沼市の農作物被害は約2,000万円に及ぶと報告があるが、被害鳥獣種の判定は農家による自己申告が中心であるため、実態については不明な点が多い。そこで、本研究では、南魚沼市の八色地域において、スイカ圃場における加害動物と被害量の実態を把握するための調査をおこなった。鳥獣害の現場では、動物に加害されたため放置した作物が、別の動物に食べられてしまうことが多く、厳密に加害鳥獣の特定を行うのは難しい。そこで本研究では、協力農家の圃場にセンサーカメラ(Ltl Acorn社LTL-6210MC940NM)を8箇所の圃場に設置し、協力先である農家から被害発生しているという報告のあった6~8月の期間において撮影を行った。また、カメラを設置した圃場の農家に依頼し、被害の痕跡を確認するよう依頼した。協力先農家以外にも、対象地区のスイカ生産組合にアンケートを配布して鳥獣ごとの被害量について調べた。
これらの調査の結果、行政による報告ではカラスによる被害が多いとされているものの、実際にはハクビシンがスイカの被害を多く引き起こしている可能性が示唆された。


日本生態学会