| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-445  (Poster presentation)

東シナ海の魚介類の消化管内に存在するマイクロプラスチック 【B】
Microplastics in digestive tracts on fishes from the East China Sea 【B】

*八木光晴(長崎大学)
*Mitsuharu Yagi(Nagasaki Univ.)

海洋生物によるマイクロプラスチック( 以下、 MP )の誤食は生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、世界的にも問題視されている。しかし、日本周辺海域の魚類における MP の誤食についての基礎的な知見は乏しい。そこで長崎近海で釣獲された魚類を対象にMPを取り込んでいる個体の割合、 1 個体あたりの MP の個数、色、形状、材質を調べることで誤食の実態を明らかにした。供試魚は 2017 年 10 月と 12 月、 2018 年 10 月に鶴洋丸にて長崎近海で釣獲されたマサバ( n= 63 、体長 10.5 ~ 18.2cm )及びマアジ( n= 40 、体長 11.2 ~ 22.8 cm )を用いた。採集された魚を実験室に持ち帰り、全長、体長、体重を計測した後、消化管を取り出した。胃内容物をサンプル瓶に収容して10 %KOH溶液に浸漬し、40 ℃で 10 日間静置することで生物由来物質を溶解した。その後、実態顕微鏡下で MP と思われる物体を取り出し、色、形状、長径を記録し、取り出したものをフーリエ変換赤外分光光度計( FT-IR )に供してプラスチックかどうかを判定した。マサバは 54 %の個体割合から計 65 個、マアジは43 %の個体割合から計 17 個の誤食が認められた。 MP の色は透明( 35 %)と白色( 22 %)が多く、形状は切れ端状( 53 %)と破片状( 28 %)が多かった。材質は Polyethylene が 61 %、  Polypropylene が 15 %であった。また、色による摂餌選択性の存在が示唆された。


日本生態学会