| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-50  (Poster presentation)

武庫川産ユリカモメLarus ridibundusの研究-遺伝子解析の結果―
Study of Black-headed gull from Mukogawa River - Result of gene analysis -

*小寺美菜子, 大路紘裕, 長谷千波矢(兵庫県立尼崎小田高校)
*Minako Kotera, Kousuke Oji, Chihaya Hase(Amagasaki-Oda H. S.)

私達鳥類研究班は、兵庫県武庫川および昆陽池で行われる鳥類標識調査に参加した。この調査では、冬にはカモ類やユリカモメに金属足環とプラスチックのカラーリングを装着する。その際に羽毛を採取し、今回の遺伝子解析のサンプルとした。羽毛の採取は県の許可を得て行った。解析結果とデータベースからダウンロードしたデータをもとにCOI領域における系統樹とハプロタイプネットワークを作成した。遺伝子データベースには3つのハプロタイプが登録されていた。今回解析したユリカモメのデータは全てそのうちの1つと一致した。このハプロタイプをもつユリカモメは世界中に分布していた。残りのハプロタイプは前者のハプロタイプから1塩基変異したもので、ヨーロッパでのみ分布していた。さらに、DNAサンプルを用いて性判別を行ったところ、17個体中メスが5個体、オスが12個体で、性比は、メス:オス=1:2.4となった。今回解析したユリカモメは今のところ解析個体が少ないが、雌雄の偏りがあった。また、Mulcelを用いてユリカモメの判別式を作成した。この判別式を用いれば、ユリカモメの形態による性判別が可能になると思われる。


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