| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-78  (Poster presentation)

メダカの海水への適応性
Adaptability  to  medaka  of  seawater

*福井亮太, 村山綾亮, 木村乃依, 澤部美里, 泉谷有紗, 守岡莉彩, 中川郁己, 松本裕子, 松本七海, 藤原葵(飾磨高等学校)
*Ryouta FUKUI, Ryousuke Murayama, Noe Kimura, Misato Sawabe, Arisa Izumitani, Risa Morioka, Ikumi Nakagawa, yuko Matsumoto, Nanami Matsumoto, Aoi Fujiwara(Shikama  high  school)

 昨年度海に海水魚を採取しに行った時、淡水で生活するはずのメダカを海で発見した事が研究の始まりである。昨年度の研究で、濃度50%の海水にメダカを数時間入れた後、100%の海水に入れると24時間以上生存できることがわかっている。今年度は、水温、メダカの種類、メダカの大きさを変え、結果にどのような影響が出るのか実験を行った。
 使用するメダカは、市販のミナミメダカ、ヒメダカ、学校の池で捕獲したミナミメダカを24時間以上淡水で飼育し、元気な固体を選んだ。5匹のメダカを濃度50%海水に一定時間浸し、その後100%海水に24時間浸した。その時に生存しているメダカの数を調査した。研究Ⅰでは異なる水温(20℃、30℃)で実験を行った。30℃の時の方が50%海水に浸す時間は、6時間と短い時間で海水に適応することがわかった。これは、メダカは30℃の時の方が代謝は盛んに行われ浸透圧調節が効率よく行われていたからだと考えられる。
研究Ⅱでは、20℃で種類の異なるメダカ(市販のミナミメダカ、ヒメダカ)を用いた。50%海水に浸す時間は、ミナミメダカ、ヒメダカとも16時間で差は見られなかった。これは、2種類には浸透圧調節機構に差がないということが考えられる。研究Ⅲでは、20℃で
大きさの異なるメダカを用いた。学校の池で捕獲したミナミメダカを体長2㎝以上を大きな固体、2㎝未満を小さな個体とした。実験結果より大きさによる差は見られなかった。
ただ成長段階にあるメダカを用いると差が出た可能性はあると思う。
 今回のメダカのような広塩性のえらにある塩類細胞は、外部環境の塩分濃度に応じて塩類細胞の機能を切り替える事ができる。現在、他の魚では4種類の塩類細胞が確認されている。今後、塩類細胞が含まれているえらの固定と切断を行い、顕微鏡で観察を行っていきたいと思っている。できれば、塩類細胞の種類も確かめたいと思う。


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