| 要旨トップ | ESJ66 フォーラム 一覧 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


フォーラム U04  3月17日 12:45-14:15 Room F

学会と社会とをつなぐ生態系管理専門委員会の役割と運営のこれから
Future Mission and Governance of the Committee for Ecosystem Management in ESJ

鎌田磨人(生態系管理専門委員会)
Mahito KAMADA(The Committee for Ecosystem Management)

 生態系管理専門委員会は自然再生推進法に対応するため、2003年に設置された。そして、「自然再生事業指針(保全生態学研究、2005)」及び「自然再生ハンドブック(地人書館、2010)」の刊行、「自然再生講習会」の開催等を通じて、生態学的に適切な目標設定と手法選択について発信を続けてきた。この間、外来生物法(2004年)、生物多様性基本法(2008年)、生物多様性戦略の策定が進められてきた。近年では、グリーンインフラ、Eco-DRR、自然資源を活かした観光産業の活性化、SDGsの推進等への期待が高まっている。風力・太陽光発電設置などの再生可能エネルギーの獲得と自然資本の保全とのトレードオフに係る課題も浮上してきている。このような新たな課題に対する、生態学者のコミットメントが今まで以上に必要であろう。そのため、2017年度から「自然再生講習会」の名称を「生態系管理講習会」に変更し、その姿勢を強く打ち出すこととした。
 一方、国内各地で行われている市民団体、企業など様々な主体による生態系の保全・再生活動には、全国モデルとなるものも多数みられる。各々の場で蓄積された知見や技術を他地域に移転し、ボトムアップによる生態系管理のあり方を広めるためには、現場で活動を支援している生態学者を核とするプラットフォーム作りが有効と考えられる。このことから、本委員会では2016年度から「生態系管理演習」を開催し、地域での生態系管理に関わる者同士のノウハウを共有しようとしてきている。
 生態系管理専門委員会が有する、学会と社会とをつなぐインターフェイス機能の強化が求められている。そのため、委員会のミッションに賛同する会員と分担しながら、具体の活動を実施してゆける体制づくりが必要だ。本フォーラムでは、全ての会員に開かれた形で、これからの生態系管理専門委員会のあり方を議論し、特に若い会員が参加しやすい方向性を検討する。

[U04-1]
生態系管理専門委員会のこれまでの活動 鎌田磨人、生態系管理専門委員会(徳島大学)
Activities of the Committee for Ecosystem Management Mahito KAMADA, the Committee for Ecosystem Management / Tokushima Univ.

[U04-2]
生態系管理の企画・運営の担い手養成の試み―生態系管理演習の展開 橋本佳延、生態系管理専門委員会(兵庫・人と自然の博物館)
Action to Develop the Leaders for Ecosystem Management Yoshinobu HASHIMOTO, the Committee for Ecosystem Management / Museum of Nature and Human Activities, Hyogo

[U04-3]
生態系管理専門委員会の次のステップ 西廣 淳、生態系管理専門委員会(東邦大学)
Next Step of the Committee for Ecosystem Management Jun NISHIHIRO, the Committee for Ecosystem Management / Toho Univ.

[U04-4]
次期の中期目標(素案) 西田貴明、生態系管理専門委員会(三菱UFJリサーチ&コンサルティング (株))
Mid-Range Target in the Next Term-A Draft Takaaki NISHIDA、the Committee for Ecosystem Management / MURC

[U04-5]
発展的討論 鎌田、西廣、橋本、西田、生態系管理専門委員会委員、環境省、日本自然保護協会(予定)
Discussion Kamada, Nishihiro, Hashimoto, Nishida, Committee members, Ministry of the Environment, NACS-J


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