| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


シンポジウム MES01-4  (Presentation in Symposium)

プロテオーム計測技術の最前線
Frontiers in Proteomics Technology

*石濱泰(京都大学薬学研究科)
*Yasushi ISHIHAMA(Grd Sch Pharm Sci., Kyoto Univ)

ヒトゲノム配列の完全解読で始まった21世紀の生命科学において、生命機能そのものを担う機能分子、生命素子としてのタンパク質およびタンパク質複合体を理解することは、生命システムの恒常性やその破綻の結果としての疾病を捉えるうえで必須のステップである。しかしゲノミクスが次世代シーケンサ(NGS)の登場により技術的に成熟期を向かえつつあるのに対し、プロテオームシーケンサとして最も利用されているLC/MS/MSは急速に開発が進んでいるとはいえ、まだまだ技術的には研究コミュニティーの期待には応えられていない。しかし、ヒト試料から5000-10000タンパク質を同定・定量することは最先端の研究グループでなくてもすでに十分に可能であり、様々な生命科学分野で使われている。
本講演では、我々が現在取り組んでいる機械学習を用いたタンパク質の同定・定量手法を紹介するとともに、腸内細菌叢由来メタプロテオーム試料の解析における問題点について議論したい。また、プロテオーム分野におけるデータ共有やデータ標準化の必要性やデータサイエンスの基盤となるプロテオームデータベースjPOSTを中心とする我々の取り組みについても述べる。


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