| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PC-395  (Poster presentation)

地域河川における目視等による自然環境調査と環境DNA調査の比較
Comparisons of Natural environment survey by visual survey and environmental DNA survey in local river

*馬谷原武之(茅ヶ崎市文化資料館)
*Takeyuki MAYAHARA(Chigasaki City Mus. Her.)

地域における生物相調査は、地域環境の変遷の把握の為、継続的に行われることが重要だが、調査を行う人材や労力、調査時の環境やタイミングの問題がある。それらの補完として一般化しつつある環境DNAを用いることは有効といえる。
河川生物相の網羅的な調査として、神奈川県茅ヶ崎市市内を流れる相模川水系の一級河川小出川の中下流域において2018年1月(冬期)に約2kmの区画を設け、橋梁毎に調査区を分け鳥類等の目視調査を行い、同時に環境DNA用途に河川水を採水した。また、2018年4月(春期)、7月(夏期)、10月(秋期)に同一区画において環境DNA用途に河川水を採水し、同時期や過去に行われた各調査結果との比較を行った。採水は、約1km間隔に3地点において1Lの採水を行った。採水後、10%塩化ベンザルコニウム溶液を1ml添加し常温で持ち帰り、ステリベクス(0.22μm)フィルターで濾過後、冷凍保存した。環境DNA解析は業者に依頼し、COI、MiFish、rbcLを対象とし、次世代シーケンサーを用いた網羅的解析を行った。
鳥類等の目視調査では、冬季に水域、陸域、上空を合わせ全体で34種の鳥類が確認され、COIによる動物種の検出において鳥類は8種検出され、確認数の多いカモ類や、バンは全域で検出された。しかし、全体の個体数が少なくなる春、夏、秋期については、春期にバン、夏期にカモ類が各1回のみ検出された。目視調査で確認されているアカミミガメが夏期、秋期に確認され、甲殻類5種、貝類6種が確認された。魚類においては、過去に同一河川範囲での採捕調査により20種程度確認されている。直接の比較は出来ないが、MiFishによる魚類の検出において30種程度検出され、過去の採捕調査におけるほぼすべての種が確認された。rbcLにより検出された維管束植物は、ガマや水草等、流水内のものが主であったが、河川法面を中心とした陸地由来の植物種についても多数検出された。


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