| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(口頭発表) D03-03  (Oral presentation)

タケササ類一斉開花枯死と地下茎構造の進化モデル 【B】
A joint-evolution model for mass flowering and rhizome systems in bamboos 【B】

*立木佑弥, 早野莉佳子(東京都立大学)
*Yuuya TACHIKI, Rikako HAYANO(Tokyo Metropolitan University)

タケササ類は長期のクローン成長の後に開花枯死する一回繁殖型植物である。発芽から開花までの待ち時間は種によって異なり、長いものでは120年間で開花する。開花時間には地理的な傾向が存在することが示されており、熱帯の種に比べ、温帯に生育する種は開花時間が長いと言われている。また、これに付随する地理的傾向として、クローン成長の際に出芽する地下茎の構造が種によって異なることが指摘されている。熱帯の種は地下茎が短く株が叢生する一方、温帯は水平に長い地下茎を展開し、株は空間的に入り混じる空間構造を構築する。本研究では、タケ類に見られる生活史戦略の地理的なパターンを創出するメカニズムに迫るため空間明示的にシミュレーションを構築する。連続空間での個体ベースモデルを採用しタケ類の生活史を記述した。クローン成長パターンと開花周期をコントロールするパラーメータが同時に進化する条件下で、地下茎と開花周期が共に長く進化する、または短く進化する条件を探索した。


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