| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(口頭発表) E03-12  (Oral presentation)

流域の土地利用が北海道風連湖流入河川水質に与える影響
Impact of land use in the basin on the quality of river water flowing into Lake Furen, Hokkaido

*佐々木章晴(北海道大学)
*Akiharu SASAKI(Hokkaido University)

北海道風連湖流入河川において,流域の土地利用が河川水質に与える影響および河川による溶存物質流下量について検討した。風連湖は北海道東部に位置する汽水湖であり,流入する河川の流域は火山性土壌および泥炭土である。河川周辺は湿原および河畔林が存在する一方,流域の大部分は酪農開発が進行し,寒地型牧草を主体とした草地となっている。草地では,酪農の乳生産量拡大により購入肥料および購入飼料の消費量が増大し,産出されるふん尿は全量草地に散布されている。調査河川は,風連湖北部に流入するポンヤウシュベツ川,ヤウシュベツ川,ケネヤウシュベツ川,ハンデン川,風連川であり,隣接する西別川の流出係数と降水量,流域面積から年間流量を算出した。また,2020年10月の平水時に一斉に採水し,pH,電気伝導度を測定し,原子吸光光度法に準じて炎光光度法でナトリウム,カリウム,カルシウムを測定した。なお,カルシウムは塩化ランタン不添加の値も計測した。測定したナトリウム,カリウム,カルシウムの濃度に流量を乗じて,年間流下溶存物質量とした。Google Earthのポリゴン機能によって,各河川流域面積と草地面積を計測し,草地面積率を算出した。また,各流域の年間生産乳量をJA道東あさひから聞き取り,窒素投入量と生産乳量の一次関数を逆算して流域の窒素投入量を算出した。草地面積率と流域の窒素投入量と年間流下溶存物質量との関連を解析した。


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