| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-054  (Poster presentation)

千葉県印旛沼流域のカエル類において生息環境の選好性は変化したのか?
Have been there changes in habitat preferences for frogs around Lake Inbanuma, Chiba Prefecture?

*松島野枝(東邦大学), 長谷川雅美(東邦大学), 西廣淳(国立環境研究所)
*Noe MATSUSHIMA(Toho Univ.), Masami HASEGAWA(Toho Univ.), Jun NISHIHIRO(NIES)

千葉県北西部にある印旛沼の周辺地域では、1996年に環境調査の1つとして水田や谷津に生息するカエル類の分布調査が行われていた。これは、夜間に車で移動し、確認された各種の鳴声を記録するといった方法で行われていた。そこで、2019年にほぼ同様の方法で再調査を実施し、カエル類の生息分布等に変化がないかを調べた。1996年の調査ではニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、シュレーゲルアオガエル、ウシガエル(国外外来種)が確認されたが、2019年にはさらにヌマガエル(国内外来種)が確認された。各種が出現した割合は2つの調査に大きな違いが見られなかったが、1996年の調査と比べてトウキョウダルマガエルあるいはシュレーゲルアオガエルがみられなかった地域、反対に2019年の調査ではシュレーゲルアオガエルが確認された地域があった。印旛沼流域内は1996年に比ベて2019年では市街地面積が増加していたが、カエル類の在不在と土地利用面積には明確な関連性が見られなかった。また、これらの調査はどちらも5-6月にかけて行われたが、2019年の調査では6月にはシュレーゲルアオガエルの鳴声はほぼ確認できなかった。調査地域において森林や谷津環境への依存性が高いシュレーゲルアオガエルの分布や出現時期の変化について解析した。


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