| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-111  (Poster presentation)

東北ブナつぎ木クローン採種園の開花周期調査
Annual flowering fluctuation analysis of Tohoku Fagus crenata grafting tree seed orchard.

*大宮泰徳(森林総研 林育種セ), 鳥丸猛(三重大学), 赤田辰治(弘前大学)
*Ohmiya YASUNORI(FTBC, FFPRI), Takeshi TORIMARU(Mie Univ), Shinji AKADA(Hirosaki Uni)

東北育種場に植栽されている東北5県由来のブナ接ぎ木クローン38系統について、2007年より2018年までの12年間の着花の推移について、期間中に少なくとも1年は開花した個体を選出し、5本以上のクローンが存在する系統を抽出して開花様式の解析を行った。BRAY-CURTIS指数を用いて数値化し比較した結果から、同一系統内の個体間で開花様式に類似性が見いだされた。また、系統内の個体間において、日本海側産地の開花様式は太平洋側産地より高い類似性が示唆された。一方で、日本海側の異なる系統の個体間、太平洋側の異なる系統の個体間、ならびに日本海側と太平洋側の個体間においては、日本海側産地の系統と太平洋側産地の系統の間の非類似性よりも太平洋側の系統間における非類似性が大きかった。続いて、個体間の開花様式について、非類似性行列に基づき主座標分析を行い、各個体の開花様式を二次元座標上へプロットすると、同一産地由来の2系統間で開花様式が類似するものと異なるものが存在していた。さらに開花様式を類型化した主座標分析の座標に基づいて整理し、系統内の平均的な開花様式と、平均から逸脱した開花様式を抽出したところ、13系統中12系統において系統内の平均的な様式と異なる開花を示す個体が認められた。また各系統について、原木の位置情報や樹高との関連についても解析を試みた。


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