| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-221  (Poster presentation)

コロナ禍の中での国立環境研究所における外来社会性昆虫リモート防除システム構築
Construction of a remote control system for invasive alien social insects at the NIES under COVID19-pandemic

*坂本洋典(国立環境研究所), 坂本佳子(国立環境研究所), 鈴木嵩彬(国立環境研究所), 神宮周作(対馬市), 大倉健一(福岡市), 中嶋信美(国立環境研究所), 五箇公一(国立環境研究所)
*Hironori SAKAMOTO(NIES), Yoshiko SAKAMOTO(NIES), Takaaki SUZUKI(NIES), Shusaku SHINGU(Tsushima-City), kenichi OKURA(Fukuoka-City), Nobuyoshi NAKAJIMA(NIES), Koichi GOKA(NIES)

2020年(令和2年)初頭から、新型コロナウイルスCOVID-19は世界的な蔓延を続けており、日本国内においてもCOVID-19の感染拡大を阻止するために、人間の移動をできるだけ削減する必要がある。一方で、日本国内に侵入した侵略的な外来社会性昆虫について、愛知県飛島ふ頭ではヒアリの大型野外営巣、東京都青海ふ頭では同種の港湾外営巣がそれぞれ確認されるなど、防除の緊急性・重要性は引き続き高まっている。こうした状況下において、国立環境研究所では各地方自治体と連携を強化し、遠隔地からの適切な防除を実現させるべく、リモート防除システム構築を推進してきた。ヒアリについて、現地からの動画によってリアルタイムの情報を得ながらの防除指導手法を構築してきた。同時に、ツマアカスズメバチについては、長崎県対馬の定着個体群に対して、地元自治体との協働のもと、IGR剤を利用した化学的防除法の地域レベルでの野外試験を進めてきた。2020年11月に新たに特定外来生物に指定されたハヤトゲフシアリに関しては、福岡市の侵入個体群について、自治体と綿密な連携を伴った液剤防除を一昨年より継続的に遂行した結果、2020年6月12日の確認を最後に、個体数0の状態を保っている。防除と並行して、在来アリと識別困難なハヤトゲフシアリの早期発見を可能にするため、すでにヒアリで開発したLAMP法を用いた検出キットと同等の検出キットの開発を進めている。本講演ではこれら外来社会性昆虫に対する防除対策の最新成果について報告する。


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