| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


シンポジウム S02-4  (Presentation in Symposium)

大型チャンバーを用いた大規模攪乱後の冷温帯林における炭素動態の長期評価
Chamber based long-term evaluation of carbon dynamic in cool temperate forest after a huge disturbance

*孫力飛(国立環境研究所), 平野高司(北海道大学), 梁乃申(国立環境研究所), 寺本宗正(鳥取大学), 矢崎友嗣(明治大学), 高木健太郎(北海道大学), 石田祐宣(弘前大学), 高木正博(宮崎大学), 近藤俊明(国際農研), 小嵐淳(原子力機構), 安藤麻里子(原子力機構)
*Lifei SUN(NIES), Takashi HIRANO(Hokkaido Univ.), Naishen LIANG(NIES), Munemasa TERAMOTO(Tottori Univ.), Tomotsugu YAZAKI(Meji Univ.), Kentaro TAKAGI(Hokkaido Univ.), Sachinobu ISHIDA(Hirosaki Univ.), Masahiro TAKAGI(Univ. of Miyazaki), Toshiaki KONDO(JIRCAS), Jun KOARASHI(JAEA), Mariko ATARASHI-ANDOH(JAEA)

森林生態系は陸域生態系の約30%を占めており、炭素吸収源として大きな役割を担っている。一方で、近年の気候変動によって台風や干ばつなどの自然災害(撹乱)の発生頻度が増加し、森林生態系の炭素収支に大きく影響すると考えられている。しかしながら、撹乱後の植生遷移に伴う炭素動態及びその変動特性に関しては未解明な点が多い。本研究では、苫小牧国有林内の45年生カラマツ人工林において、国立環境研究所が独自に開発した大型自動開閉式チャンバーシステムを2001年に設置し、総土壌呼吸、微生物呼吸及び下層植生を含む炭素交換に関する連続観測を開始した。2004年に台風18号によってカラマツ人工林の大部分が倒壊し、システムも大きな損害を受けた。その後、チャンバーシステムを更新しながら、撹乱後の植生遷移に伴う、生態系炭素収支の各プロセスの長期動態を観測してきた。本発表では得られた長期観測データに基づき、台風撹乱前後の総土壌呼吸、微生物呼吸及び下層植生を含む炭素交換の長期変動とその変動要因を定量的に評価した結果を紹介する。


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