| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) L02-03  (Oral presentation)

野生寄主植物で異なるイモゾウムシの繁殖形質
The reproductive traits of the West Indian sweet potato weevil Euscepes postfasciatus differ among wild hosts.

*日室千尋(岐阜大学), 本間淳(沖縄県病害虫防技セ, 琉球大学), 池川雄亮(沖縄県病害虫防技セ, 琉球産経(株), 琉球大学), 大石毅(沖縄県病害虫防技セ), 熊野了州(帯広畜産大学)
*Chihiro HIMURO(Gifu Univ.), Atsushi HONMA(Okinawa Pref. Plant Prot. C, Univ. of Ryukyus), Yusuke IKEGAWA(Okinawa Pref. Plant Prot. C, Ryukyu Sankei Co. Ltd., Univ. of Ryukyus), Tsuyoshi OHISHI(Okinawa Pref. Plant Prot. C), Norikuni KUMANO(Obihiro Univ. of AVM)

幼虫期の栄養環境が成虫の形質に多大な影響を及ぼすことは広く知られているが、射精物などの繁殖関連形質への影響については未だ解明の余地が多い。サツマイモの重大害虫であるイモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)の雄は、精子競争を回避するため、交尾時に精子とともに再交尾抑制物質を雌へ移送し、長期の不応期(再交尾までの期間)を誘発する。
先行研究では、幼虫期にサツマイモ塊根で育った個体は、人工飼料で育った個体よりも不応期を長く誘発することが確認されており、幼虫期の餌資源が射精物の質を左右することが示唆されている。そこで本研究では、野外環境においても寄主植物の違いが繁殖形質に影響を及ぼすか検証した。
野外寄主植物であるノアサガオおよびグンバイヒルガオから得られた個体を用いて比較試験を行った結果、ノアサガオ由来の雄と交尾した雌において、不応期が有意に長くなることが明らかとなった。本結果は、幼虫期の寄主植物という環境要因が、成虫の繁殖戦略やその進化プロセスに重要な役割を果たしている可能性を強く示唆するものである。


日本生態学会