| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) M02-06  (Oral presentation)

外来社会性昆虫の侵入・分散が加速する中での防除技術開発の高度化
Advancing control technologies amid accelerating invasion and spread of invasive social insects

*坂本洋典(国立環境研究所), 坂本佳子(国立環境研究所), 高井嘉樹(国立環境研究所), 神宮周作(対馬市役所), 内堀隼人(東海理化), 中嶋信美(国立環境研究所), 五箇公一(国立環境研究所)
*Hironori SAKAMOTO(NIES), Yoshiko SAKAMOTO(NIES), Hiroki TAKAI(NIES), Syusaku SHINGU(Tsushima city government), Hayato UCHIBORI(TOKAI RIKA), Nobuyoshi NAKAJIMA(NIES), Koichi GOKA(NIES)

2025年には、要緊急対処特定外来生物ヒアリSolenopsis invictaの国内侵入が、それまで未報告であった富山県、新潟県からも確認され、12月時点で過去最多となる36事例、累計では20都道府県171事例へと達した。加えて、長崎県対馬に定着したツマアカスズメバチVespa velutinaは近年、九州本土への侵入が報告された。そしてアルゼンチンアリLinepithema humileは、2020年以降、新規定着地の拡大傾向が関西を中心として強まっている。これら外来社会性昆虫の侵入や拡散に対応すべく、国立環境研究所では、早期発見・防除技術の高度化と、各地方自治体と協働した防除システムの構築を以下のように推進してきた。ヒアリに対して国内初となる飼養実験施設を設立し、防除薬剤選定の迅速化を進めた。また、長崎県対馬においてベイトステーション設置による地域レベルでのツマアカスズメバチ化学的防除試験を実施し、巣内の個体数を指標として有効性を明らかにした。さらに、アルゼンチンアリについて、広域に散布可能な顆粒ベイト剤を利用した防除に、壁面・樹幹等にも設置可能なグリスベイト剤を組み入れた化学的防除体系を構築した。本講演ではこれら外来社会性昆虫の現状と防除技術開発の高度化の最前線について紹介する。


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