| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) M02-08  (Oral presentation)

奄美大島の湯湾岳周辺地域の路傍における外来植物の分布特性
Distribution patterns of alien plants along roadside around Mt.Yuwan in Amami-Oshima Island

*坂元小梅, 鈴木英治, 鵜川信, 安田悠子(鹿児島大学)
*Koume SAKAMOTO, Eizi SUZUKI, Shin UGAWA, Yuko YASUDA(Kagoshima Univ.)

2021年に徳之島や沖縄県北部および西表島と共に、生物多様性の高さから世界自然遺産に登録された奄美大島では、現在、侵略的外来植物の侵入予防・定着後の防除対策の必要性が高まっている。外来植物は明るい場所や人里に近い場所に定着しやすいと考えられているが、定着場所の光環境などの環境条件を定量的に明らかにし、生息環境に応じた外来植物の定着特性を明らかにすることは、効率的かつ効果的な防除対策を講じるための基盤情報となりうる。奄美大島には、固有種や希少種の生息地であり、特別保護地区に指定されている湯湾岳がある。本研究では、この湯湾岳を調査地とし、山地における外来植物の初期侵入場所である道路路傍に出現する外来植物の分布状況を把握するとともに、標高、光環境、村からの距離の変化に伴う外来植物の分布傾向を明らかにすることを目的とした。湯湾岳登山口に接続する総延長約25kmの車道2本を対象に、2024年7月から11月にかけて、道路路傍群落の植生調査を実施した。各道の長さに対する調査地点数の設置割合が同程度になるよう、山麓の道の起点から山頂近くの登山口に至るまで310m間隔で、合計82の調査地点を設定した。調査地点の道路の両端に2m×5mのプロットを設置し、合計164個のプロット内に出現する全維管束植物を記録した。また、各プロットの中心1点で全天空写真を撮影し、プロットの光環境を表す指標としてGLI(gap light index)の値を算出した。結果、合計302種の維管束植物を確認したが、そのうち外来植物は29種であった。外来植物の生活型分類では、一年生・越年生草本が最も多かった。頻出した外来植物は、キク科のオオバナノセンダングサ(60プロット)、イラクサ科のコゴメミズ(28プロット)、キク科のヒメジョオン(22プロット)であった。本発表では、その他確認した種も含め、外来植物の分布状況および各環境条件との関係について調査結果の詳細を報告する。


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