| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-011 (Poster presentation)
近年、人獣共通感染症が重要な問題となっている。人獣共通感染症の多くは、吸血性節足動物によって媒介され、その主要な媒介者の一つにマダニ類が知られている。マダニは様々な野生動物に寄生することが知られており、その中でも野ネズミ類は、マダニの重要な未成熟期における宿主として知られているが、両者の詳細な関係性については未解明な点が多い。
そこで本研究では、野ネズミ類とマダニの関係を明らかにすることを目的とし、山形県鶴岡市において2023年から2025年の夏期から秋期にかけて野ネズミ類の捕獲調査を行った。その結果、アカネズミ97匹、ヒメネズミ5匹、ハタネズミ4匹、ヒミズ2匹、ジネズミ3匹、ドブネズミ1匹、ヤチネズミ1匹が捕獲された。
また、捕獲個体から採集されたマダニは、アカネズミからDermacentor bellulus、Ixodes monospinosus、Ixodes nipponensis、Ixodes ovatus、ヒメネズミからI. monospinosus、I. ovatus、ヒミズからI. monospinosus、ジネズミからI. monospinosusが確認された。
D. bellulus若虫15匹、幼虫32匹、I. monospinosus 若虫9匹、幼虫13匹、I. nipponensis 若虫0匹、幼虫8匹、I. ovatus 若虫3匹、幼虫35匹であった。マダニの種構成には季節変化が見られ、夏期にはD. bellulusが、秋期にはI. ovatusが多く確認された。
今後は、他の季節においても同様の調査を行うことで、野ネズミ類とマダニの関係性の季節および年変化を明らかにすることができると考えられる。