| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-022 (Poster presentation)
中央アジアの乾燥・半乾燥地域では,閉鎖的な流域構造や水資源の減少による塩類集積が顕著となり,持続的な土地利用を困難にしている.ウズベキスタン共和国中央部に位置するキジルクム砂漠では,土壌ECが 9.8 mS/cmまで達すると報告がある。このような高塩環境下に自生する塩生植物は,植物の塩ストレス耐性メカニズムを理解するうえで最も適したモデルの一つとされており,加えて塩汚染地の回復・土壌の植物修復の可能性をもつと期待される.塩生植物の耐塩性は成長段階,植物器官および塩曝露期間に依存する.そこで本研究では塩生植物の種子と稚樹それぞれの耐塩性,その連続的なストレスに対する応答を明らかにすることを目的とし,キジルクム砂漠に自生する1年生草本 Climacoptera lanata を用いた塩処理実験を行った。その結果,種子はNaCl濃度400 mM 以上で発芽速度が有意に低下し,500 mM 以上で発芽率が有意に低下した.また,種子期に様々な濃度で塩ストレスをかけた稚樹の育成実験では,種子期に塩ストレスを受けた個体で現存量が有意に増加した,しかし,既往の研究における他の塩生植物と比較して耐塩性が高いことが明らかとなった.さらに,発芽時の塩処理が稚樹段階の耐塩性におよぼす影響について,器官別の現存量増加や水分要求量から考察する.