| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P0-046  (Poster presentation)

カラスによるゴミ散乱被害の状況と印象の全国アンケート調査【A】
Nationwide survey on the status and perception of the scattering of garbage by crows【A】

*山田菜月(高知大学大学院), 山浦悠一(森林総合研究所), 曽我昌史(東京大学大学院), 比嘉基紀(高知大学大学院)
*Natsuki YAMADA(Kochi Univ.), Yuichi YAMAURA(FFPRI), Masashi SOGA(Tokyo Univ.), Motoki HIGA(Kochi Univ.)

本研究では,日本全国を対象に,(1)カラスによるゴミ食い荒らしの発生に影響する要因,(2)カラスに対する印象や評価,および個体数許容に影響する要因についてアンケート調査による全国的な検討を行った。調査は,2025年2月25日から3月3日にかけて,島嶼部を除いた全国の20~70歳代の市民を対象に,ゴミの食い荒らしの状況や,野鳥とカラスへの認識を問うオンラインアンケートで実施し,1,181名の有効回答を解析に用いた。解析の結果,カラスによるゴミ食い荒らしの発生確率は,交通量が多い場所,ゴミ袋の数が多い場所,周囲の農地率が高い場所,防除ネットを使用している場所で高い傾向が示唆された。また,カラスに否定的な感情や不満を強くもつ住民ほど,駆除等の直接的対策による個体数削減を支持する傾向にあり,その要因として過去の被害経験が影響している可能性が考えられた。これらの結果から,防除ネットを金属製収集容器へ変更することが有効な食い荒らし対策であると考えられる。食い荒らし対策により,被害を軽減しても過去の被害経験は消えない可能性があるため,被害対策の検討においては,実地調査に加え,住民の心理的側面を考慮することが重要である。


日本生態学会