| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P0-051  (Poster presentation)

家庭のアクアリウム・ビオトープに侵入する外来種
Alien invertebrate species in household aquaria and garden biotopes

*中井静子(日本大学), Robin J SMITH(琵琶湖博物館), 中尾有利子(日本大学), 西田澄子(東京都市大, 日本大学)
*Shizuko NAKAI(Nihon Univ.), Robin J SMITH(Lake Biwa Museum), Yuriko NAKAO(Nihon Univ.), Sumiko NISHIDA(Tokyo City Univ., Nihon Univ.)

 物流や人の移動がグローバル化した近年、外来種の日本国内への侵入リスクが高まっている。我々は、家庭のアクアリウムから野外への外来生物の侵入リスクを調べるため、2019年度より家庭やペットショップ産業に関わるアクアリウムに混入する水生無脊椎動物の種組成を調査している。そして、これまでの研究から、家庭では室内のアクリウムとは別に庭のビオトープ(大きな睡蓮鉢など)でも淡水環境が維持され、スイレンなどの水草鑑賞を通じても外来生物が家庭に侵入していることが明らかになった。そこで本研究では、園芸店や街の生花店における水場環境と水草の販売状況を調査に加え、家庭に侵入する水生無脊椎動物の実態を調査した。
 2025年5月~12月に園芸店、生花店、ペットショップのアクアリウム、ホームセンターのアクアリウムと園芸コーナーで店舗調査を実施した。また、店舗で販売している水草を購入し、水草を介した生物の混入状況を飼育実験によって調べた。調査で発見した生物は採集し、実体顕微鏡を用いた観察、写真・動画撮影、体サイズの計測を行い、100%エタノールで保存した。採集された生物は可能な限り種または分類群の同定・推定を行った。
 店舗調査は、園芸店4店、生花店3店、ペットショップ5店、ホームセンター2店の計14店舗で行った。またそのうち6店で購入した水草の付着生物を調べ、その後飼育実験による生物の出現状況を調査した。店舗調査の結果、園芸店では春~夏季にかけて屋外のビオトープ用にホテイアオイなどの水草が販売され、これらの水草には無脊椎動物が付着していることがわかった。本研究でもっとも多く見つかったのは貝形虫で、過去の結果と合わせて外来種8種を含む25種が発見された。続いて、プラナリア・ヒル・ミズムシなどが採集され、アクアリウムや園芸店で採集されたプラナリアは、形態的種同定から外来種の可能性が高いことが示唆された。


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