| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-056 (Poster presentation)
TAC(Total Allowable Catch:漁獲可能量)制度が始まって以来、対象魚種のTAC決定後は大臣管理漁業枠、都道府県枠、国の留保枠というようにTACで定められた漁獲量をそれぞれの枠へと配分する。また、近年は魚種によって、条件により前借り、繰り越しができるシステムが検討されている。これらのシステムは運用によって効率的な運用を可能とするという目的の下で導入がなされている。
配分に関しては効率的であるかどうか、という問題と共に配分に関しては公平感に関する問題も出てくる。現行の配分方法は過去の漁獲量を勘案して決定される方法が多く用いられている。そこから、配分方法については規模の大きな漁業に有利になりやすく不公平感が出てくると予想される。また、配分に関する視点としては資源の回復を効率的に行えるような配分も必要になると考える。昨今ではスケトウダラ、ブリの魚種において前借、繰越がどのような影響を与えるか検討がなされている。
本研究は、理論的な観点から環境変動がある中でどのような配分、前借・繰越をすることが資源回復に資するかについて整理をして、現実的な方策について検討・提案することを目的とする。
単純化のため、複数年性魚種と単年性魚種について個体群動態モデルを作成し、環境変動の有無における管理基準がどのような数値になるか解析する。その上で現実を想定した複数架空の漁業を設定しどのような配分で漁獲枠を配分することが資源回復に資するか解析を行う。最終的には前借・繰越を設定した時にどのような設定であれば影響を最小限に抑えることができるかについて解析をする。以上を数学的または数値的に解析した結果から考察する。