| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P0-068  (Poster presentation)

高知県中部におけるシシンランの成長特性と生育環境
Growth and habitat environment of Lysionotus pauciflorus in Central Kochi, Japan.

佃菜結香(高知大学), *比嘉基紀(高知大学), 瀨戸美文(東京大学大学院, 学振PD)
Nayuka TSUKUDA(Kochi University), *Motoki HIGA(Kochi University), Mifumi SETO(The Univ. of Tokyo, JSPS Research Fellow)

シシンランLysionotus pauciflorus(イワタバコ科)は、本州の伊豆半島以西、四国、九州の成熟した湿潤な森林に生育する常緑の着生植物である。国と15府県で絶滅危惧種に指定されており、一部は国指定天然記念物にも指定されている。本種は、国指定天然記念物・種の保存法指定種のゴイシツバメシジミShijimia moorei moorei(シジミチョウ科)の幼虫の食草でもある。ゴイシツバメシジミの自生地では、ナラ枯れと台風等によるシシンラン着生木の枯損・減少が懸念されている。シシンランは挿し木により容易に増殖させることが可能であるが、生育適地についての知見が不足している。このため、圃場で栽培した個体をどのように樹上に移植するのかが課題となっている。本研究では、高知県のシシンラン自生地における気象観測,生長特性調査と実験室内での光合成特性の実験を行った。気象観測は、2024年12月20日〜2025年4月20日、5月13日〜9月30日に行った。林冠土壌の水分指標は、降水によって増加し、飽差の高い日の連続によって減少した。2025年5月13日〜11月10日まで、樹幹に生息するシシンランの当年節間長、当年生および2年生の葉長と着葉数を測定した。節間長と当年生葉長は、7月までに最大となった。2年生葉は季節進行とともに着葉数が減少した。シシンランの落下個体の葉の挿し木由来の個体を用いて、温度25°C、湿度58%(飽差1.3kPa)に設定したインキュベーターで異なる光量(暗黒〜約800 μmol m-2 s-1)での光合成速度を測定した。非矩形双曲線近似で当てはめを行った結果、シシンランの光合成速度は約400 μmolm-2 s-1で頭打ちとなった。


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