| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P0-070  (Poster presentation)

屋久島における渓流沿い植物群落および岩上植物群落の種組成と生活型組成の比較
Comparison of species composition and life form composition in riparian and rocky plant communities on Yakushima Island

*川西基博(鹿児島大学), 崎尾均(新潟大学), 阿部晴恵(新潟大学)
*Motohiro KAWANISHI(Kagoshima University), Hitoshi SAKIO(Niigata University), Harue ABE(Niigata University)

渓流沿いには,増水による攪乱に適応した渓流植物が含まれる独特な植物群落がみられる.屋久島では河床に直径数メートルの巨大な岩塊がみられ,その岩隙や渓岸に渓流植物群落が成立していることが知られている.一方,屋久島では花崗岩の岩塊が山頂や稜線に露出していることが多く,そうした立地にもサツキが分布しているなど一部の植物種が渓流植物群落と共通する傾向がみられた.こうした渓流沿いや山頂などの岩塊上に成立する群落はミニチュア植物や固有種を含むなどの特徴があり注目されるが,屋久島内でどのような分布パターンを示すのか明らかではない.そこで,本研究では,屋久島における渓流沿いに成立する植物群落の成立要因を理解することを目的とし,植物群落の種組成と生活型を山頂域の岩塊上の群落と比較した.階層的クラスター分析の結果,(1)河川中流から下流域渓岸の群落,(2)低標高の山頂の群落,(3)二又川,中間川の河川下流域渓岸の群落,(4)河川上流域の渓岸の群落,(5)田代川下流域の群落,(6)高標高の山頂の群落に区分された.サツキやヒサカキなど渓流沿いと山頂のいずれにも出現する種がみられた一方で,各タイプの指標種も抽出された.低標高の山頂の群落ではスギ,アカガシなどの高木,サクラツツジなどの低木,チャボシライトソウなどロゼット葉をもつ多年草が指標種であったのに対し,高標高の山頂では高木と低木は指標種にはならずイッスンキンカなどのロゼット型多年草やヤクシマダケが指標種となった.河川上流域の渓岸の群落では,サンショウソウ,ホングウシダといった匍匐型とヤクシマスミレなどロゼット型の多年草が指標種として挙げられた.河川中流から下流域では指標種としてロゼット型多年草のホソバハグマ(1),匍匐型多年草のヒメタカノハウラボシ(3)などが抽出され,各群落タイプに種組成と生活型の違いがみられた.


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