| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-077 (Poster presentation)
鹿児島県三島村に属する竹島は、全域をリュウキュウチクに覆われた島である。このような特殊な植生景観は、長年の焼畑耕作の影響よって成立してきたものと考えられている。しかし、現在の植生がいつごろから成立したのか、実際に焼畑耕作が植生の変化に影響したのかはよく分かっていない。そこで、本研究では、竹島における植生変遷と火事の歴史を明らかにする目的で、植物珪酸体分析と微粒炭分析を行った。
3地点の露頭から層位ごとに約10 cm間隔で土壌試料を採取し、分析を行った。いずれの露頭も1 m以上の腐植層をもつ黒ボク土がみられた。また、一部の層準では微粒炭を抽出し放射性炭素年代測定に供した。
分析の結果から、竹島では約7,300年前の鬼界カルデラの噴火後から約1,500年前までのある時期には照葉樹が分布していたが次第に衰え、リュウキュウチクが優占したと考えられた。しかし、この時期の層準には火事の痕跡である微粒炭がほとんど含まれておらず、リュウキュウチクの優占に火による攪乱はほとんど影響していなかったことが示唆された。また、調査地のうち1地点ではイネ属やコムギ連に由来する珪酸体が出現し、その層準で微粒炭の含有量も増加した。微粒炭の放射性炭素年代値から、竹島での焼畑耕作は900~800年前にまでさかのぼる可能性がある。