| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-098 (Poster presentation)
名古屋市中心市街地と郊外との境界部(期間中に合流・移動があり、4か所)のムクドリの集団塒の下で、8月後半から毎月2回、糞を約20個拾い、DNA分析を行った。DNAバーコーディング法で食性解析を株式会社生物技研に外注した(プライマーは動物(COI)と植物(gPlant))。動物(COI)での分析では、基本的にムクドリ自身のDNAの増幅を抑えるブロッキング・プライマーを使用したが、うち2か所については、それぞれ1回、ブロッキング・プライマー不使用での分析も行った。また、うち4か所については、それぞれ1回、鳥用プライマー(gBird)でも解析した。中心市街地と郊外との境界部の塒間の距離は7~12kmであった。
DNAによる食性解析結果では、目視での糞分析では見つかりにくいであろうカキノキやスクミリンゴガイも検出できた。
動物用や鳥用のプライマーを使用して検出されたムクドリ自身のASVから遺伝的多様性や塒間の共通性も検討した。まず、動物用を用いた分析では、ムクドリ用ブロッキング・プライマーを使用した場合としなかった場合とで、検出されるASVの数・種類に違いはなかった。鳥用を用いた分析では、中心市街地の塒の10月上旬では3種類、郊外との境界部では8月下旬は3種類(最も多い1種類のみ中心市街地と共通)、塒移動後の10月上旬では1種類(8月下旬の最も多い1種と共通)であり、更に塒移動後の11月下旬でも1種類(8月下旬、10月上旬の最も多い1種と共通)であった。ASVの種類数や複数AVSの場合のリード数の比率は、10月上旬の中心市街地は同時に分析した動物用の結果とほぼ同じであったが、8月下旬の郊外との境界部では鳥用では3種であったのに対し、動物用ではブロッキング・プライマー不使用でも1種であった。鳥用プライマーはムクドリの遺伝的多様性の分析に使える可能性があるが、1種類のASVが共通して大多数(95%以上)を占めている。