| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-051  (Poster presentation)

森林・都市・農地環境間での夏季のカエルの種構成と形態の違い:山形県鶴岡市での調査【A】
Variation in Frog Species Community and Morphology Across Forest, Urban, and Agricultural Habitats During Summer in Tsuruoka City, Yamagata Prefecture【A】

*吾妻茜里, 小峰浩隆(山形大学)
*Akari AZUMA, Hirotaka KOMINE(Yamagata University)

 近年、世界中で都市化が進行しており、それに伴う生物多様性の減少が問題となっている。両生類は脊椎動物のなかで最も絶滅危惧種の割合が高く、陸域と水域の両方を利用するので景観変化に敏感であるという特徴をもつ。そのため都市化による影響を受けやすいと考えられており、都市化に伴う環境変化がカエルの形態に影響を与えている可能性が示唆されている。ただ、都市化による影響の研究は鳥類や哺乳類で多く行われており、両生類ではあまり行われていない。そこで、本研究では都市化による両生類の多様性と形態への影響を理解するために、山形県鶴岡市に生息するカエル類に焦点を当て、種構成調査と形態調査を行った。種構成調査では、山形県鶴岡市の森林、農地、都市に5箇所ずつ調査地を設け、カエル類の種数と個体数を記録した。形態調査では、ヒガシニホンアマガエル(Dryophytes leopardus)を対象種として、農地と都市の個体を捕獲し、複数の項目の計測を行いt検定(Welch/Student)及びMann-Whitney U検定により検証した。その結果、全体で6種類のカエルが確認され、山形県鶴岡市の森林・農地・都市ではカエル類の種構成は大きく異なることがわかった。種数は都市で少なく、個体数は農地で最も多い傾向が見られた。山形県で準絶滅危惧種に指定されているツチガエル(Glandirana rugosa)とトノサマガエル(Pelophylax nigromaculatus)も確認できた。形態調査において、都市で28個体、農地で58個体を捕獲し形態比較を行った。SVLと体重は都市個体が農地個体よりも大きかった。一方、体長で割った相対的な頭の幅とももの長さにおいては、農地個体が都市個体よりも頭の幅が大きく、ももが長い傾向が見られた。すねの長さには大きな差は見られなかった。本調査はいくつかの形態は都市化の影響で変化している可能性を示唆している。今後はサンプル数及び調査地を増やして更に検証する必要がある。


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