| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-064  (Poster presentation)

4地域の天然記念物群落を含む希少種ツルマンリョウの比較遺伝解析【A】
Comparative genetic analysis of a rare species, Myrsine stolonifera, including four populations designated as natural monuments【A】

*片山花菜(京都大学), 遠藤千晴(京都大学), 樽澤優芽子(総合研究大学院大学), 坂野慧悟(京都大学), 髙谷智響(京都大学), 井鷺裕司(京都大学)
*Hana KATAYAMA(Kyoto Univ.), Chiharu ENDO(Kyoto Univ.), Yumeko TARUSAWA(SOKENDAI), Keigo SAKANO(Kyoto Univ.), Tomoki TAKAYA(Kyoto Univ.), Yuji ISAGI(Kyoto Univ.)

ツルマンリョウ Myrsine stolonifera (Koidz) E. Walker は東南アジアに広く分布するが、分布域の北限に位置する日本では限られた地域でのみ生育が確認されている。国内の多くの群落は国や県の天然記念物として重要な保全対象となっているにも関わらず、群落単位での遺伝的実態は解明されておらず、適切な保全策を検討するための知見が不足している。本研究では、天然記念物を含む国内の群落をほぼ網羅的に対象とし、群落単位での遺伝構造や遺伝的多様性を評価することを目的とした。ddRAD-seqによるゲノムワイドSNPデータに基づき、群落間の系統関係やヘテロ接合度、および個体間血縁度を解析した。その結果、対象とした群落は、(1)クローン繁殖により維持されている群落、(2)小集団での有性生殖により遺伝的多様性が低下した群落、(3)天然集団と同程度の遺伝的多様性を示す健全な群落の3つのタイプに大別された。これらのことから、群落間で遺伝的状況や維持背景が大きく異なり、それぞれの実態に即した保全管理を行うことの重要性が示唆された。


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