| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-077  (Poster presentation)

千葉県富津市金谷地区における水生生物の多様性と保全地区の選定【A】
Selection of Conservation Areas for Aquatic Biodiversity in the Kanaya District, Futtsu City, Chiba Prefecture【A】

*吉田孝太, 佐野真吾, 亀岡讓, 林聖悟, 難波眞叶, 池田壮太, 松田彩, 酒井慶翔(観音崎自然博物館)
*Kota YOSHIDA, Shingo SANO, Jo KAMEOKA, Seigo HAYASHI, Manato NANBA, Sota IKEDA, Aya MATUDA, Keito SAKAI(Kannonzaki Nature Museum)

本調査は、千葉県富津市金谷にある金谷地区と大沢地区における水生生物の分布状況から保全地域を選定する事を目的とした。対象種とした水生生物は、水生昆虫類、トンボ類、魚類、両生類である。保全地域の選定は、休耕田、河川、水路などの水域がある土地で、金谷地区 8 地点、大沢地区8地点の合計16地点の区間を設定し、区間で確認された種の種数およびレッドリスト掲載種を点数化する事で、優先度が高い保全地域を選定した。レッドリスト掲載種の点数化は環境省のレッドリスト(2020)および千葉県のレッドリスト(2019)を参考にし、環境省版では CR:2.5 点、EN:2 点、VU:1.5 点、NT:1 点とし、千葉県版では最重要生物:2.5 点、重要保護生物:2 点、要保護生物:1.5  点、一般保護生物:1 点とした。
結果、調査地すべての地域で128種の水生生物が確認された。そのうち金谷地区 A 区は8種、B区は25種、B1区が24種、C区が5種、D区が73種、E区は67種、F区は61種、G区は21種、大沢地区A区は8種、B区は14種、C区は48種、D区は53種、E区は32種、F区は8種、G区は12種、H区は14種であり、73種が確認された大沢地区D地点が最も種数が多かった。また、レッドリストに基づく点数化においては金谷地区A区:10 点、B区:18 点、B1区:18 点、C区:1.5 点、D区:59.5 点、E区:39.5 点、F区:40 点、G区:4.5 点、大沢地区A区:8.5 点、B区:10 点、C区:28 点、D区:41.5 点、E区:26.5 点、F区:7.5 点、G区:7.5 点、H区:5.5 点であり、大沢地区D地点が41.5点で最も高い点数になった。
基本的には区間による種数と点数の数値は比例して高くなったが、大沢Dのように種数は他区間に劣るものの、レッドリスト記載種の点数は他より多い場所も見られた。現在大沢Eの一部では、すでに保全作業をおこなっているが、今後は明瞭にした種数が多く、点数が高い区間を地域に共有し理解を得て、新たな保全地域として活動をおこなう方針で検討したい。


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