| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-108  (Poster presentation)

哺乳類・鳥類を標的とした葉面洗浄法による大気環境DNAサンプリング【A】
Airborne DNA sampling using leaf washing method targeting mammals and birds【A】

*竹本響希, 山中裕樹, 藤森崇(龍谷大学)
*Hibiki Takemoto hibiki TAKEMOTO, Hiroki YAMANAKA, Takashi FUJIMORI(Ryukoku Univ.)

近年では、環境保全や生物多様性などの観点から絶滅危惧種の保護や外来種に関する多くの問題が存在する。そこで生物をモニタリングする手法の一つとして環境DNA分析がある。この分析法は、環境中にあるDNAを採取し分析することで、種存在の有無などを知る事ができる。本研究では、環境DNAの中でも大気環境DNAに着目し、新たなサンプリング方法である葉面洗浄法(以下:水かけ法)を用いて実施した。水かけ法とは対象の植物の葉を袋で覆い、超純水を入れ撹拌させ、その水を採取する方法である。対象種は哺乳類および鳥類とし、サンプリングの間隔による検出の変化や気象要因の関わりについて評価した。
サンプリングは京都市動物園において2024年1月下旬から6月中旬にかけて10日間実施し合計40サンプルを得た。また、サンプリング時には気象データを得るためにウェザーメーターを設置した。サンプリング時以外の気象データは気象庁ホームページより取得し風配図作成などに使用した。また、解析はメタバーコーディングで実施した。
結果として、サンプルから合計445239のリード数が得られ、2類21目32科38属39種の分類群に割り当てられる脊椎動物を検出した。各サンプルにおいて検出された種は、サンプリング地点から近くに飼育されている種が多かったが、風によって飛来したと考えられるDNAも検出された。また水かけ法による検出では、降水による影響が大きく関わることが示唆され、特にサンプリング前日や当日に降水があるとリード数が減少する傾向があった。サンプリングに用いた葉によってもサンプリング効率の違いがみられた。
本研究は、水かけ法における基盤となる結果を得ることができた。しかし、実フィールドでの実施やサンプリング精度の向上など様々な課題がある。


日本生態学会