| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-112  (Poster presentation)

DNA解析によるニホンミツバチとセイヨウミツバチの訪花植物の解明【A】
DNA Metabarcoding Reveals Floral Visitation Patterns of the Honey Bees Apis cerana and A. mellifera【A】

*明神希望(龍谷大学), 永瀬彩子(千葉大学)
*Nozomi MYOJIN(Ryukoku Univ.), Ayako NAGASE(Chiba Univ.)

受粉媒介者であるミツバチは、生態系の維持や農業に密接に関係しており、人間の生活に不可欠な存在である。近年、蜜源となる大規模な花畑の減少や都市養蜂の普及によりミツバチを取り巻く環境は変化している。日本国内には、養蜂のために導入された在来種であるニホンミツバチ(Apis cerana japonica)とセイヨウミツバチ(Apis mellifera)の2種が生育しているが、それらが利用する植物種については十分に解明されていない。本研究では、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの訪花植物解明を目的に、全国28地点から収集したハチミツに含まれる花粉を試料として、DNAバーコーディング法を用いて分析した。その結果、合計325種と、種レベルまで同定に至らなかった13属の植物が同定された。ニホンミツバチのサンプルから検出された282種は草本と木本が50%ずつ、セイヨウミツバチのサンプルから検出された233種のうち、草本は53%、木本は47%であった。1サンプル当たりの種数の平均は、ニホンミツバチが45種、セイヨウミツバチが57種、シャノン多様度指数は、ニホンミツバチが2.3、セイヨウミツバチが2.5であり、どちらも統計的な有意差は見られなかった。2種のミツバチが同所で飼育されている場合、蜜源植物の共有率は5.0-43.5%であり、場所により異なっていた。数多くの地点で利用されていたのは、草本ではヒナゲシ(Papaver rhoeas)やコセンダングサ(Bidens pilosa)など広域に分布する種であり、木本ではサルスベリ(Lagerstroemia indica)など長期間開花する植物種が多く確認された。本研究の結果により、ニホンミツバチとセイヨウミツバチミツバチが多様な植物を訪花している実態が明らかとなった。


日本生態学会