| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-187  (Poster presentation)

鳥類を指標とした都市緑地ネットワークの質と連結性の評価【A】
Evaluation of the Quality and Connectivity of Urban Green Space Networks Using Birds as an Indicator【A】

*西亮憲, 橋本啓史(名城大学)
*Akinori NISHI, Hiroshi HASHIMOTO(Meijo University)

都市化の進行により、名古屋市では過去30年間で緑地面積が減少し、孤立・断片化が生じている。そこで生態系の配置やつながりを活かすエコロジカル・ネットワークが注目されている。本研究では、生息地の連結性を担うコリドーとしての街路樹に着目し、名城公園(約40ha)と名古屋城外堀(約10ha)を南北に結ぶ7本の街路に沿って約5kmの調査ルートを設定した(緑地間距離:約350m)。2025年5月~2026年1月にルートセンサス法により、ルート両側25mで出現した鳥類を記録し、22種1926羽が確認された。また、各月の晴天日に取得したSentinel-2衛星画像からNDVI(正規化植生指数)を算出し、鳥類の出現地点との関係を種・月ごとに比較した。その結果、5月の平均NDVIはシジュウカラ0.736、スズメ0.556、ヒヨドリ0.746、8月はそれぞれ0.773、0.664、0.723であった。1月にはシジュウカラ0.414、スズメ0.609、ヒヨドリ0.505であった。種および季節により利用する植生環境に違いが見られ、繁殖期にはシジュウカラおよびヒヨドリがスズメより高NDVI地点を選好する傾向が示された。一方、スズメは低NDVI地点にも出現し、開放的・人為的環境を含む幅広い生息地を利用していた。落葉期の1月にはNDVIが低下する中で、シジュウカラおよびヒヨドリは低NDVI地点での出現が増加していた。これは、落葉による植生量の減少に伴い利用可能な環境が制限される中で、より広範な環境を利用していると考えられる。一方、スズメは比較的高いNDVI地点を利用していた。これは、群れで地表付近に集まって採食する際に、近接するまとまった緑地や生け垣などの被覆を利用するためと考えられる。以上より、街路樹は種や季節によって異なる機能を果たし、鳥類の生息地利用を支えるコリドーとして機能していると考えられる。


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