| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-220  (Poster presentation)

LiDARデータに基づくスギの樹冠構造指標と直径成長の関係【A】
Relationships between LiDAR-derived crown structural metrics and diameter growth of Japanese ceda【A】

*加納大暉(京府大生命環境), 原田喜一(京府大院生命), 中田康隆(京府大院生命), 長島啓子(京府大院生命)
*Taiki KANO(Kyoto Prefectural Univ.), Kiichi HARADA(Kyoto Prefectural U), Yasutaka NAKATA(Kyoto Prefectural U), Keiko NAGASHIMA(Kyoto Prefectural U)

建築物の木造化の推進で、強度が明確な木材の重要性が高まっている。木材強度は年輪幅とそのばらつきによって一定説明可能なことが判明している。一方、近年ではLiDARにより樹冠構造を定量化し、胸高位置の年輪幅とそのばらつきを推定する研究が行われている。このため、樹冠構造指標から原木の年輪情報を推定できれば、立木段階での原木強度推定に貢献できると考えられる。そこで本研究では、原木を年輪幅とばらつきの傾向が同じグループに分類した上で、LiDARデータから得られる樹冠構造指標との関係を明らかにすることを目的とした。京都府立大学演習林においてサイズの異なる13個体を伐採・円板採取し、樹幹解析を元に、4m材の原木39本の平均年輪幅、変動係数を算出した。これらのデータからクラスター分析を用いて原木を分類した結果、成長が良く均一な年輪、成長が良く中程度に均一な年輪、成長及び均一さも中程度な年輪、成長が遅く不均一な年輪、成長が遅く極めて不均一な年輪を持つ5つのグループに分類された。伐採木の樹冠構造指標は、伐採前に取得したUAVレーザと地上型レーザデータを合成した上で算出した。そして、原木のグループと樹冠構造指標との関係を把握するため、グループを目的変数、樹冠構造指標と樹齢、原木直径、密度を説明変数としてランダムフォレストを行った。その結果、説明変数に最大樹冠直径に樹高、樹齢、原木直径、密度を用いた際の分類精度が最も高く、樹冠構造指標を含むことで、原木の成長特性を表すグループに分類できた。一方、成長が良い2つのグループの分類は困難であることが示された。このため原木における元口から末口までの伸長成長にかかった年数も加えて再びランダムフォレストを行なったところ、全体の精度が10%ほど上昇した。このことから原木の年輪情報を推定する際に伸長成長も重要な因子になることが示唆された。


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