| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-226  (Poster presentation)

動物付着散布型植物は背丈が低いのか:キク科の種子散布様式と植物高の相関進化の検証【A】
Are Epizoochorous Plants Shorter? Testing the Joint Evolution of Seed Dispersal Mode and Plant Height in Asteraceae【A】

*本吉亮介, 山尾僚(京都大学)
*Ryosuke MOTOYOSHI, Akira YAMAWO(Kyoto University)

動物付着散布型植物は、特殊な散布器官によって動物の体表に種子を付着させて長距離散布を達成する。そのため、動物付着散布をおこなう植物のサイズ(植物高)は、散布動物の体高との相互作用の結果、他の種子散布様式の植物種とは異なる進化が生じている可能性がある。本研究では、動物付着散布を含む多様な種子散布様式が系統内に存在し、それらを果実形態や冠毛形態に基づいて比較的容易に判別できるキク科ヒマワリ上連を対象として、動物付着散布の進化が植物高の進化に与える影響について検証した。世界各地のフローラ文献をもとに、植物高・生活史・果実および冠毛形態を種毎に抽出し、ヒマワリ上連258属1681種からなるデータベースを構築した。
生活史の効果を考慮した上で両形質の関係を評価するために、生活史をランダム効果として組み込んだ一般化線形混合モデル(GLMM)により種子散布様式間で植物高を比較した。その結果、動物付着散布型の種は、風散布型および重力散布型の種と比較して植物高が有意に高かった。次に、RパッケージV.PhyloMaker2を用いてヒマワリ上連の系統樹を構築し、PGLSを用いて種子散布様式間で植物高を比較した。種間の系統的な非独立性を考慮した結果、種子散布様式の違いは植物高の種間変異を有意には説明しなかった。これらの結果によって、ヒマワリ上連において、動物付着散布型植物は他の種子散布様式よりも植物高が高いこと、また、その差異には系統シグナルの影響を強く受けていることを示唆された。さらに、MCMCを用いたベイズ推定により、系統進化的時間スケールにおいて、種子散布様式と植物高がどのように連動して進化してきたのかも併せて検証した。発表ではこれらの結果を統合し、動物付着散布が植物高の進化に与える影響について考察する。


日本生態学会