| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-275  (Poster presentation)

キュウリの葉面吸収におけるコーヒーグラウンズの施用とその効果【A】
Application of Coffee Grounds and its Effect on Foliar Absorption in Cucumber Plants【A】

*山口竣也, 藤沼良典(国際基督教大学)
*Shunya YAMAGUCHI, Ryosuke FUJINUMA(International Christian Univ.)

世界的に消費量の多い嗜好飲料であるコーヒーは、加工および抽出過程において大量の副産物が発生し、その副産物の再資源化が注目されている。コーヒーの消費大国である日本では使用済みコーヒーグラウンズ(Spent Coffee Grounds; SCG)が年間数十万トン規模で廃棄物処理されている。一方でSCGはリグノセルロース系物質やフェノール類、アルカロイドなどの生理活性物質を含有するため、農業資材や土壌改良材としての再利用の可能性が指摘されている。これまでSCGを施用した際の植物生育への影響は指摘されてきたが、SCGに含まれる有機低分子化合物が植物体内へどの程度吸収され、移行するか、と言ったメカニズムについては十分に解明されていないことが多い。特に葉面施用した場合のSCG 由来成分の動態に関する知見は不足している。そこで本研究では、キュウリの葉面にSCGを乾燥状態で施用し、SCGに含まれる主要成分であるカフェイン、カフェ酸、クロロゲン酸の動態を解析した。結果、SCGの葉面施用によるキュウリ葉内への成分移行は限定的であり、成分の分子特性および時間経過が成分の葉内移行に大きく影響することが明らかとなった。特にカフェイン酸については、一定時間後に葉内への有為な移行が確認された(p<0.001)。従って、分子サイズや極性が葉面吸収に関与している可能性が示唆された。


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