| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-276  (Poster presentation)

麻布大学キャンパスの樹木における葉緑素量の季節内推移【A】
Seasonal Changes in Leaf Chlorophyll Content of Trees at Azabu University【A】

*萩原香月, 髙田久美子, 新田梢(麻布大学)
*Kazuki HAGIWARA, Kumiko TAKATA, Kozue NITTA(Azabu University)

植物による炭素固定は、近年深刻化している地球温暖化の緩和に役立つことが期待されている。我々はその評価指標として光合成能力と密接に関係する葉緑素量に着目し、麻布大学キャンパス内の樹木において葉緑素計を用いたSPAD値の継続的な測定およびそれらと気温等の環境因子の関係について解析を進めている。対象とした樹木のうち、落葉樹では10月下旬から11月上旬ごろに、紅葉の現象とみられる季節変化に伴ってSPAD値が減少した。そこで本研究では、研究対象として選定した樹木のうち、生物季節において主要な樹木であるソメイヨシノ(Cerasus x yedoensis)とイロハモミジ(Acer palmatum)について、SPAD値の変化が紅葉の現象に起因していることを環境要因の変化および時系列RGB画像から明らかにすることを目的とした。加えて、RGB画像からも樹木葉における葉緑素の減少を定量的に観察できる可能性について検討を行った。ソメイヨシノとイロハモミジのRGB画像において画像解析を行うことで、葉面積内における緑色指標の面積を定量化し、SPAD値の減少傾向と色特徴量の変化を比較した。結果として、ソメイヨシノではSPAD値が減少しても緑色指標に変化はなかった。しかしイロハモミジでは、経日に伴うSPAD値の減少とともに、緑色指標が減少している傾向が確認された。また、SPAD値が急激に減少を始めた時期では、日平均気温が15℃前後となっていた。これらのことから、イロハモミジにおいて秋季に確認されたSPAD値の減少傾向は、紅葉現象に起因するものであることが明らかになった。


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