| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-344  (Poster presentation)

ニホンカナヘビは自己認知できるのか?【A】
Is Japanese grass lizard capable of self-recognition?【A】

*中田知玖(京都大学)
*Tomohisa NAKATA(Kyoto University)

鏡に映った「自己像」が自身の像であることを認知する能力である鏡像自己認知能力はかつて人間に近い生物のみが持つ高度な能力であると考えられてきた。しかし近年、魚類や無脊椎動物でもこの能力は見つかっており、この能力はより普遍的に存在していることが示唆されている。そこで今回は爬虫類に属するニホンカナヘビを対象にこの能力の有無を検証するために実験を行った。実験ではまずカナヘビに2時間×3日間、鏡を提示し、それに対するカナヘビの行動を記録した。鏡像自己認知能力を持つ動物が鏡に対して示す行動には共通したパターンがあることが知られており、カナヘビの行動にもそのパターンが見られるのかを確かめた。その後、鏡を使う代わりに、小型カメラから取得したカナヘビの自己像をリアルタイムでモニターに表示することで、カナヘビに自己像を提示する実験も行った。この実験ではモニター上のカナヘビの自己像の上に、カナヘビに寄生するダニの映像を合成しカナヘビに提示した。この際、物体検出モデルである「YOLO」を用いてリアルタイムでモニター上のカナヘビの頭部の位置座標を取得し、そこにダニの映像を合成した。そして、ダニの映像が合成されている時といない時のカナヘビの行動を比較した。もしカナヘビに鏡像自己認知能力があるならば、その映像を見たカナヘビは自身の体にダニがついていると認知し、ダニがついているはずの体の部位を気にする行動(前肢で触る、体を地面に擦り付ける)が見られると予想した。


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