| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-348  (Poster presentation)

他種の鳴き声がシバスズとマダラスズの空間的移動に与える影響【A】
Effects of heterospecific calls on spatial partitioning in sympatric ground cricket species【A】

*山本花菜(奈良女子大学), 遊佐陽一(奈良女子大学), 小長谷達郎(奈良教育大学)
*Hana YAMAMOTO(Nara Women's University), Yoichi YUSA(Nara Women's University), Tatsuro KONAGAYA(Nara University of Education)

野外では、多くの動物が鳴き声などの音響シグナルを使ってコミュニケーションをおこなっている。鳴き声は求愛や闘争などに利用され、長距離のコミュニケーションを可能にする手段である一方、同所的に生息している他種の鳴き声がノイズとして音響コミュニケーションに影響を与える可能性がある。特にコオロギ類は、音響コミュニケーションをおこなう種が非常に多い分類群であり、同所的に複数の種が存在することが多い。そのため、他種の鳴き声に対応することは、鳴き声を発するオスにとって重要であるかもしれない。そこで本研究では、コオロギ上科に属するマダラスズ Dianemobius nigrofasciatus とシバスズ Polionemobius taprobanensis を対象に、他種の鳴き声に対する成虫の空間的移動の有無を検証することを目的とした。これらの種は日本各地の草地に生息する普通種で、この2種だけでなく他のコオロギ上科の種とも同所的に生息している。まず、奈良県産のマダラスズとシバスズのオスを対象に、同種や同所的に生息していると考えられる複数種のコオロギ上科昆虫の鳴き声を用いたプレイバック実験を実施し、同種や他種の鳴き声に対する空間的移動の有無を調査した。その後、より自然な環境に近づけるためにスピーカーと音源を変更して、同様の実験をおこなった。比較対象としてメスについても同様の実験をおこなった。これらの結果をもとに、他種の鳴き声がシバスズとマダラスズの空間的移動に与える影響を議論する。


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